普段は介護のお仕事をしています。
死については、近いところで生活していると思います。もう長くないと言われていたが、なぜか復活!ますます元気になられる方や、さっきまで普通にコーヒーを飲まれていた方が、それを最後に会えなくなることもあります。自然と死についての会話もされますし、私が失礼に聞いてしまっても案外答えてくれる方が多いと感じています。私はある方に、「先に死後の世界に行ったらどんな所か教えて欲しい」と言ったら、「黄色い蝶になって教えに行くわね」と笑って答えて下さいました。素敵な答えだったので今度は私が真似をして使おうと思っています。ちなみにこの方は、まだまだお若いのでもっと先のお話になるかと思います。
さて、致死率100%の人間が死んだ後はどうなるでしょう?死んでも帰ってこないので案外過ごしやすい世界なのかもしれません。
そんな疑問について教えてもらえる機会があったので今回は、ある方が死者から聞いた死後の世界についてをお話をしていきたいと思います。
「死後の世界」
死後の世界には、肉体はありませんが「意志・感情」が残っています。
「死」とは、重力や時間がない世界です。反対に「生」とは、重力と時間がある世界です。
人は死ぬと肉体から離れエネルギー体に戻ります。そこには肉体にかかっていた重力や時間は存在しません。死後の世界の話の前に「生きる・生まれてくる」ことにも少しだけ触れておきたいと思います。
「生まれてきた時に起こっていること」
生まれてきたときに起こっていること、それはエネルギー体だった私が肉体という「型」にはめられるということです。はじめはキツイ器に詰め込まれている状態でとても苦しく感じます。
生まれたばかりの私は違和感と窮屈さを感じ、いつもぐずっていました。じょじょに肉体に慣れ、次は私の状況観察を始めます。
この人が、母親。
この人が、父親。
この体はどんな動きができるのか、何度も同じ動作を繰り返し確認しました。
親の感情を読み取ろうと表情を読んでみたりもします。
気がつけば、この肉体に慣れこの世界のルールもわかるようになりました。この頃の私は重力を重たく感じていません。それどころか、死に対する恐怖が生まれ、自分がエネルギー体だった時の事は忘れています。
「今日私が死んだ」
ところがある日、私は死んだらしい。らしいというのは、急に重力がなくなり、何かがおかしいのである。
そして今、私の目の前にはお花畑がある。この光景は私が思っていた死後の世界に似ていた。やはり私は死んでしまったのだろうか?いやでも、まだ受け入れられない。
『このままでいるんか!』
急に声が聞こえた。
『次のステージに行くか?どうする?』
そう言うと、カマを持った死神が現れた。
『ワシは、あんたがこのままでもええねんけど、この辺危ないから、次行った方がいいで?』
カマを持った死神が関西弁で話しかけてくる。
「でも、自分が死んだということが信じられなくて、、」
私は混乱しながらどうにか答えた。
「本当に死んでるの?もしかしたら生きているかもしれない」
『死んでるね!』
死神がかぶせ気味に返答した。私は少し不機嫌に黙ってしまう。
『ほんなら行こか!自分にちょっと見せたいもんあんねんけど、その腹から出ている糸たどって行くで!』
私のお腹からへその緒のように、細ーい糸のようなものが見えている。
『死にたてほやほややから、まだハッキリ見えてるやろう?実はな、ワシがそれを切る担当やねん。そやからほら、、、、このカマ。素敵やろう?スパッと切れるで!』
「死にたてほやほやって何やねん・・・」
私はお腹に手を当てて、エセ関西弁で死神に悪態をついたが聞いていない。